参議院比例代表

斉藤りえ

斉藤りえ

私の想い


 私は一歳のときに聴力を完全に失いました。「音のない世界」で育ちながら、両親の「みんなと同じように育てたい」という強い想いから、地元の学校に入学をしました。それから私の「きこえる」人たちの中での「きこえない」現実と向き合う日々が始まります。

 不思議に思われるかもしれませんが、学校や日常生活でコミュニケーションの困難に直面することはほぼありませんでした。家族や友人、先生たちなど周囲に恵まれていたのだと思います。しかし、社会に目を向けると、そうした理解のある環境ばかりではない現実があることも気付かされます。

 私はこれからの次世代の子どもたちが、障がいの有無や性差など、生まれながらであったり生理的な特徴による不条理を感じる社会であってはならないと考えています。異なる個性や特徴を尊重し、認め合う。それが当然の社会を描いていくことは、次世代への責任です。

 私は、障がいを持つ当事者の視点が、今の政治には不可欠であると考えています。加齢により誰もが何らかの衰えや障がいを抱える中で、誰が想像力を持って「誰ひとり取り残さない未来」を描いていけるのか。それは、日常から社会的な障壁や障がいの視野を持っている私たちが描ける未来なのだと信じています。その思いから、私は聴覚障がいを持つ初めての国会議員を目指して立ち上がる決意をしました。

斉藤りえ